銀杏BOYZとわたし


わたしはずっとわたしになりたかった

中高一貫の女子校では「この学校の生徒にふさわしい行動をしてください」と6年間ミッチリ言われ続けた。

この学校の生徒にふさわしい行動とは、寄り道をしない買い食いをしない日の入りまでに帰宅するプリクラを撮らないカバンを肩にかけない制服を規定通り着るなど…。


私は、キオスクでお菓子やお茶を買うことはあったくらいで、中学2年生までは概ねその校則を守っていて、言われ続けた言葉を意識することも特にはなかった。


中学2年生のある日、私は最寄りの駅でおなかがすいてチョコレートを買って食べていた

すると、知らない外国人に話しかけられた。その時の外国人の顔を今でも忘れられない。

学校の国際学級の先生だったのだ。


目をぎょろっとさせ眉間にしわを寄せ、なんと言われたかは忘れたが、あの目。

私は犯罪者になったような気持ちになった。


家に帰るとお母さんが夕飯を作っていて私はバレるのが怖くてピアノの練習を帰るなりはじめた。

すると、電話がかかってきた。学校からだった。先生はなんといったのだろう。「ゆきえさんが駅でチョコレートを買い食いして、、困っています?やめさせてください?今でも謎である


私は母に叱られた。「校則なのだからだめでしょう、ママ、恥ずかしいわ」


次の日学校に行くと担任の先生に「あなた買い食いをしたのね」とまたあの目で言われた


駅でチョコレートを食べる。そんなことで私はほとんど不良のレッテルを貼られ、その時、今まで大人に褒められてきた自分がいかに脆弱なものであるかを自覚した。


わたしの存在って駅でチョコレート食べたくらいで脅かされる程度なんだな